◎ほぼ1枚革で作るL字ファスナー財布のホック版

2022.8.2




7月4日(月)の午後。

どうにかこうにかして、
L字ファスナー財布をホック式タイプに出来ないのか?と思い、あれこれ思案すること約半年ほどが過ぎ、ようやく型紙になったので作っていく事にしました。

とは言っても、、
各パーツは「ファスナー財布」とほぼ変わらないので作るのも楽だと思います。

それと、どうせなら…と思い、ほぼ1枚革で作る財布にしてみました。
尚、今回は「スリムな財布」を目指して作りました。

今回、作成した型紙(ほぼ1枚革で作るL字ファスナー財布のホック版)

では早速、型紙を。

型紙は物凄くシンプルなもので、A4サイズ1枚分で収まりました。

で、私はこの財布を「ほぼ1枚革で作るL字ファスナー財布のホック版」と名付けました。
そして、今回使用する革は、厚み1ミリのヌメ革になります。

※注:今回は、そのまんまストレートに名付けました。

型紙(ほぼ1枚革で作るL字ファスナー財布のホック版)

財布を作る前にポイントを簡単に

念のため、前日に試作品を作ったので、作るときのポイントを簡単にまとめます。

先ず、小銭入れ部分ですが、冒頭で話した通りで、ファスナー財布に使う小銭入れと同様のものになります。

念のためマチの接着部分が剥がれないよう、菱目打ちでマチ部分に1つ、穴をあけています。
制作ポイント01(小銭入れ部分は、ファスナー財布と同様の形状です。)

そして、小銭入れパーツを接着すると、
 マチの外側に、一か所だけ「糸」が見えます。

只、実際に使用してみて、どの程度の強度があるのか?は、不明です。。

ですが、一番負荷が掛かる部分は間違いなく、糸が見えるこの部分だと思うので、
菱目打ち又は目打ちを使って穴をあけています。
一番負荷のかかると思われる小銭入れのマチ部分

そして一番重要なポイントはココ!

接着したマチを、菱目打ちしなければならないのですが、、
レザークラフトでは、菱目打ちの際に「打ち台(ゴム板)」が入らない事は、多々あります。

そういう時は、カッターマットなどの、厚みの薄い物を敷いてから、菱目打ちをします。

※画像では、100均のカッターマットを使用
菱目打ちをするとき、一般的な打ち台(ゴム板)では厚みがあるため、厚みの薄いカッターマットlなどを使用する(※画像では、100均のカッターマットを使用)

こちらのポイントは、
マチは一番使用頻度の多い開閉部分なので、マチの上部分は2回ほど糸を巻き付けて縫います。
マチは一番使用頻度の多い開閉部分なので、マチの上部分は2回ほど糸を巻き付けて縫います。

あと今回使用したバネホック(中)は、メス側の足が長いため、
最悪の場合、ホックがクルクル回る可能性があります。

そのためメス側ホックには、厚み1ミリの端革からスペーサー(あて革)を作ります。

※ポンチを使って端革から作ったスペーサー(あて革)をはめ込みます。
今回使用したバネホック(中)は、メス側の足が長いため、ポンチを使って端革から作ったスペーサーをはめ込みます。

主な、ポイントは以上になります。

L字ファスナー財布のホック版を作っていく(試作品)

こちらの見出しには、「(試作品)」と付けましたが、、
実は「試作用の床革を切らしてしまった」ためです。

いつか使うだろうと、大事に取っておいたヌメ革なのですが、
日焼けもしているため、試作用として使いました。

では、先ず目打ちで、型紙を写していきます。
、先ず目打ちで、型紙を写していきます。

写し終えたら、「角」に丸みを付けるために、ポンチを使って穴をあけます。
これは、角に丸みを付け、裂けてこないようにするためです。
「角」が裂けないように角に丸みを付けるためにポンチを使います。

で、ホック部分にも穴をあけ、一通りコバ処理を終えたところです。
尚、マチと小銭入れの袋部分は、上部のみコバ処理をしています。
ホック部分にも穴をあけ、一通りコバ処理を終えたところ(マチと小銭入れの袋部分は、上部のみコバ処理をしています)

マチと小銭入れ部分には、革を漉いておきます。

こうする事により、外観から見る革の厚みが1ミリ程度に見えるため、
シュッとした、スマートな財布に見えるためです。
マチと小銭入れ部分は、革を漉いておく

マチと小銭入れ部分をボンドで接着して、
底側は、菱目打ちをしておきます。

本体との接着部分には、ガイド線を引いてから接着面を荒らしています。

これでマチと小銭入れ部分は完成で、あとは本体にくっつけるだけです。

L字ファスナー財布の小銭入れ部分と作業が同じなので、気分的にも凄く楽です。。

正に「シンプル・イズ・ベスト!」です。

マチと小銭入れ部分は、L字ファスナー財布と作業が同じなので、気分的にも凄く楽です

本体側は、ホック打ちでバネホック(中)を取付けます。

あとは、カード入れ部分やお札部分に念引きをしておきます。
バネホック(中)の取付け(カード入れ部分やお札部分に念引き)

念引きで、早速、はみ出してしまいましたがココは見なかった事に・・。
念引きで、早速、はみ出してしまいました(ココは見なかった事に・・。)

本体は1枚革なので、慎重に折り曲げグセを付け、よく確認してからボンドで接着します。
本体は1枚革なので、慎重に折り曲げグセを付け、よく確認してからボンドで接着します

後は、菱目打ちして縫っていくだけですが…、ココは要注意!

100均のカッターマットを下敷きにしてから、菱目打ちをします。

まだこの時点では、マチと小銭入れ部分はまだ接着していないので、
縫うのはカード入れの上側部分だけです。
この時点では、マチと小銭入れ部分はまだ接着していないので、縫うのはカード入れの上側部分だけです

画像では、カード入れの横側部分に菱目打ちをしていますが無視してください。

縫うのはあくまでもカード入れの部分の上側だけです。
縫うのはあくまでもカード入れの部分の上側だけです(※画像では、カード入れの横側部分に菱目打ちをしていますが無視してください。)

いよいよ最終工程です。

本体側に、マチと小銭入れ部分を接着します。
いよいよ最終工程、本体側に、マチと小銭入れ部分を接着します

ボンドが乾いたら、菱目打ちします。

※この時も、カッターマットを使って菱目打ちをします。
ボンドが乾いたら、菱目打ちします(※カッターマットを使って菱目打ちをします)

はい、これで完成です。

まだ完全にボンドが乾いていないと思うので、かるくコバ処理を・・。
これで完成です。(まだ完全にボンドが乾いていないと思うので、かるくコバ処理をします。)



使っている3つ折り財布との比較

財布なので、先ず中身を入れないと。。
とりあえずカード5枚と、宝くじの空き袋を入れてみました。

尚、カードは縦にも収納できるようにしています。
そして、背面にもカードが1枚入るようになっています。
完成した財布に中身を入れているところ(カード5枚と宝くじの空き袋。背面にカード1枚が入るようになっています。)

簡単にですが、以前作った財布と比較してみました。

やっぱり、スリムな財布を目指しただけあって、
カードが5枚入っていてもスリムですね。。
以前作った財布との簡単に比較している画像です(スリムな財布を目指しただけあって、カードが5枚入っていてもスリムです。)

只、カードが5枚入ると、バネホックが閉じ辛いです。
あと、小銭も8枚程度でも苦しいです…。

やっぱり、もう少し折り曲げ幅にマージンを取らないとダメかもしれません・・。
只、欠点として、カードが5枚入るとバネホックが閉じ辛い。小銭も8枚程度でも苦しいです…。(要するに、まだまだ寸法変更の改良が必要。)

後日、寸法を変更して作ってみました。

後日、寸法を少し変更して作ってみました。
後日、寸法変更して作った財布(※ほぼ1枚革でつくったL字ファスナー財布のホック版)

その時の型紙はこちらになります。

あと、小銭入れ部分の幅も165mmに変更しました。
寸法変更した、新たな型紙

ですが、新たな問題が!!

カードを入れる時に、縫い目に毎回カードが引っ掛かります…
新たな問題が発生01(カードを入れる時に、縫い目に引っ掛かります。)

縦に入れても、やっぱり縫い目に引っ掛かります・・。

そして小銭入れも、広く取り過ぎて扱い難くなりました。
新たな問題が発生02(カードを縦に入れる時にも、縫い目に引っ掛かります。)

巻末のひとこと

私的に、これはもう没になりそうな気が・・。

理由は、以下の2つ。

  • ・もし失敗すると、A41枚文の革が無駄になる。
  • ・これ以上改良を加えると、A4サイズ1枚分で作れなくなる。

ほぼ1枚革で作る財布としては良いコンセプトでしたが…(次回へつづく

ほぼ1枚革で作る財布としては良いコンセプトでしたが、私的には没になりそうな気が。。



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