4月9日(金)。
長いこと煮詰めていたオリジナル3つ折り財布。
前回は、試作品でしたが、今回はデザインに更なる改良を加え、本番の革で作りました。
では早速、完成した3つ折り財布の簡単な説明をしたいと思います。
先ず最初に、財布の顔になる外側パーツ部分。
こちらは、厚み2ミリ革を使用しました。
続いて、内装パーツ部分。
内装パーツには、厚み1ミリ革を使用します。
こちらが土台となる中仕切りパーツ部分とカード入れ部分。
それから、小銭入れ部分も厚み1ミリの革を使用します。
尚、パーツBは、今回は使用しません。
内装は、すべて厚み1ミリのヌメ革(ナチュナル色)を使用しています。
よくレザークラフト本や型紙を購入すると、「2ミリ・1.5ミリ・1ミリ」などと、細かな指定がよくあるのですが…、
厚みを均等にする「革漉き」が出来ないと出費が多くなり、
結果、コストが高くなるので、私の場合、内装には厚み1ミリを多用しています。
コンチョは、コインコンチョで、安価なレプリカを使用しました。
何れ気に入ったコンチョがあれば、気軽に付け替えることも可能ですし、
万が一無くしても、レプリカなので、お財布にも優しいと思います。。
完成した時に、一番大事な「縦・横寸法」を測るのを忘れていたので、
約1月ほど、後ろポケットに入れて使用した寸法を計ってみました。
現在、折り畳んだ状態で「縦10.2センチ×横8.5センチ」になります。
そして気になる厚みですが、先ず、空の状態から。
縫製している底側の厚みは、約26.5ミリです。
お札の出し入れをする上部側は、約31ミリです。
次に、中身を入れて計ってみました。
中身には、楽天のギフトカードと宝くじ(18枚)を入れて計ってみました。
※小銭は入れていません。
縫製した底側の厚みは、約25.5ミリです。
中身が空状態と変わらない厚みになりました。
続いて、お札を出し入れする上部側は、約31ミリです。
やっぱり、中身が空状態と変わらない厚みになりました。
実は、作る前にも、失敗しない自身が有ったので、革で作ったのですが…、
案の定、失敗!
この2つは、曲がる部分の寸法ミスでの失敗です。
曲がる部分の寸法、身をもって勉強しました・・。
先ず、最初にカードポケットから。
カードが2枚入ります。
デザイン上、ポケットを波型デザインにしましたが、
この湾曲にした方がカードが取り出しやすくなりました。
続いて、小銭入れ側の後ろにもカードポケットを作りました。
画像では、大変、見づらいのですが、5枚のカードを収納しています。
小銭入れのヘリですが、強度とアクセントとして、コバ側にフチ念を入れました。
フチ捻は1ミリしか持っていないので、強調するために「蝋(濃い茶色になった部分)」も使用しました。
小銭入れは取り出しやすいよう、マチを広く設計しています。
(※10円玉で13枚ほど入ります。)
お札入れには、宝くじ(18枚)が入りました。
また、お札が丸見えにならないよう、
フタ側と一体にして、コの字(Uの字?)に切り抜いたデザインにしました。
では、簡単にポイントを説明したいと思います。
今回は、すべての床面が汚れにくいように、レザーコートマットを使用しました。
床面はトコノールだけで処理を終えるのが一般的なのですが、
お札入れ・カード入れ・小銭入れも床面部分になるためです。
特に小銭入れ部分は、硬貨の汚れが大変革へ色移りします。
今回、特に注力したのは、打ち刻印です。
レザークラフト用の刻印、3ミリの刻印セットを使用しました。
刻印を打つことで、オリジナル感が出て愛着感が生まれますし、
市販品のハンドメイド製品のようにグレードアップします。
打つ前に、革を霧吹きや濡れタオルなどで濡らしてから、刻印を打ちます。
基本的に内装には、厚み1ミリの革を使用するのですが、
厚みを減らしたい部分には、革を漉いておきます。
特に、カードポケットや小銭入れのマチに対し、かなり有効です。
この革漉きですが、凄く難易度が高いように見えますが、慣れてくれば簡単です。
只、革包丁の刃をしっかりと研いでおけば、漉き作業が簡単に出来ます。
最初は、失敗が付き物です。
例え慣れていても、失敗する時も稀に在りますが、
隠れるパーツであれば、少々の失敗も問題ありません。
もし失敗したときは、
縫い代が有るかディバイダーで線を引いて確認してみてください。
今回は、通販で入手した1ミリのフチ捻で、念を入れてみました。
只、1ミリでは余りにも「一応、フチ捻入れているよ!」とゆう強調が無いため、
フチ捻を終えた後にもう一度、ロウを付けて念引きしました。
念引きはデザイン性と言われる方がいますが、
ロウを付けて念引きしたので、私的には強度があるのでは?と思います。
本来ならば、このバネホック中を、「ホック打ち中」で打つだけなのですが…、
ボタンの頭が出っ張っています。
この出っ張りを無くすには、画像の左にある「ハンシャ」とゆうパーツを使用するのですが、
より、手作り感を出したいため、
「ホック打ち大」の打ち具を使って、ボタンの頭を平らにします。
画像でも分かるように、
左側が平らにする前のもので、右側が平らにしたものになります。
これで小銭れ側のホック打ちが終わりました。
先ほどのホックを取付たパーツと、残りの小銭入れパーツをボンドで貼り合わせておきます。
そして、小銭入れのフタ部分に菱目打ちをします。
只、ホックを付け終えているので、ホックが邪魔になります。
そのため、邪魔にならないよう、ゴム板などで高くして、菱目打ちをします。
折り財布を作る上での基本ポイントですが、
先に「カード入れ」部分から作ることです。
(※もし小銭入れ部分から作ってしまうと、高さがあるため、邪魔になるからです。)
そして今回は、カード入れ部分にマージン(余白)を作りました。
このマージンは、接着した部分のパーツに余裕ができます。
このマージンを、革包丁などで切り揃えます。
切り終えた部分を、紙ヤスリで整えればキレイに見えます。
今回、作った小銭入れ部分は、基本的な作り方とは少し違う作り方になります。
革漉きをした小銭入れのフタ部分は、
土台となる「中仕切りパーツ」に接着するのがポイントになります。
ココからは、普通の財布作りと同じで、マチを片側ずつ接着します。
マチを接着し終えたら、底部分を接着します。
取り付けた、小銭入れの角を、
革包丁で、角丸に切っていき、軽く紙ヤスリで整えます。
こちらが、貼り合わせる前の、内装パーツと外装パーツになります。
私の場合、張り合わせるパーツの厚みが3ミリを超える場合は、
出来るだけ菱目打ちを、先に済ませておきます。
(※菱目打ちを2回するので二度手間になりますが、厚みが増すごとに菱目打ち作業の難易度が高くなるからです。)
そして、接着する前に、外側パーツにジャンパーホック大を取付ておきます。
(※今回はコンチョをしようするため、片側のみジャンパーホックを取付ておきます。)
また外側パーツも同様に、
接着後に革包丁などで角を切り揃えていきます。
いわゆる最終作業で、
「外側パーツ+内装パーツ」を接着しながら菱目打ちして、縫っていきます。
画像では、カード入れ部分まで接着剤が剥がれないよう、縫って仮止めしています。
(※小銭入れ部分から縫い進めて、カード入れ部分まで来ています。)
この折り曲がる部分には、弧の形(浅い半円状の切り口)にしているので、一度、縫い終わりの終点にしても良いのですが、
ココは「魅せる縫い目」にするために縫い続けたいので、
接着前に、現物合わせで「菱目打ち」をしていきます。
画像のように、
内装パーツに、このまま菱目打ちすると「革」が切れてしまうので、
内装パーツを手で避けながら、外装パーツにだけ菱目打ちをします。
そして、次の接着部分との兼ね合いを見ながら、菱目打ちをします。
頭を使いながら、少しずつ縫い進め、最後の外側パーツ部分を接着し終えたところです。
ある程度時間を置き、接着剤が乾いたら、
角の部分を丸く、切り揃えていきます。
これで3つ折り財布が、完成しました?!
と、思ったら…
いいえ、小銭入れ部分の角落としが残っています・・。
内装パーツに、コンチョ部分のポンチ穴をあけます。
コンチョを取り付けるのですが、穴径を小さくしているので、
手芸用の目打ちを使って、少しずつ穴を広げ取り付けます。
オリジナル3つ折り財布は完成したのですが、
出し入れしやすいようにポケット類を整えます。
余計な接着剤が付着しているので、100均のスパチュラで整えます。
「カード入れ部分・小銭入れ部分(小銭入れ裏側部分)・お札入れ部分」を順番に整えます。
これで、財布のポケット類を整える事ができました。
実際に、財布の中身を入れ替えてみたときの画像になります。
小銭入れに、13枚ほど小銭をいれてみました。
マチも広めなので、小銭がよく見えています。
小銭入れ裏側の、カード入れ部分です。
カードを4枚ほど入れてみました。
まだ革が馴染んでいないので、出し入れが硬いです。
そして、主要なカード入れ部分。
カードを2枚収納しています。
最後に、お札入れ部分になります。
6枚のお札とレシートを収納してみました。
前回、作った財布と並べてみました。
この2つの財布、見た目では判断できませんが、前回よりも内装パーツを2ミリほど寸法変更しています。
現在、この3つ折り財布を使用していますが、
特に大きな問題や不便さがなければ、このまま使い続けてみようと思います。。