◎レザークラフト、オリジナル3つ折り財布の完成

2021.5.2




4月9日(金)。

長いこと煮詰めていたオリジナル3つ折り財布。
前回は、試作品でしたが、今回はデザインに更なる改良を加え、本番の革で作りました。
レザークラフト、完成したオリジナル3つ折り財布
では早速、完成した3つ折り財布の簡単な説明をしたいと思います。

設計した型紙

先ず最初に、財布の顔になる外側パーツ部分。
こちらは、厚み2ミリ革を使用しました。
外側パーツ(厚み2ミリを使用)

続いて、内装パーツ部分。
内装パーツには、厚み1ミリ革を使用します。

こちらが土台となる中仕切りパーツ部分とカード入れ部分。
内装パーツの中仕切り部分、厚み1ミリ。
それから、小銭入れ部分も厚み1ミリの革を使用します。
尚、パーツBは、今回は使用しません。
小銭入れ部分、厚み1ミリ(尚、パーツBは、今回は使用しません。)

完成したオリジナル3つ折り財布の説明

外観は、厚み2ミリのオイルヌメ革を使用しました。
完成したオリジナル3つ折り財布の説明01(財布の顔になる外側パーツには、厚み2ミリのオイルヌメ革を使用。)

内装は、すべて厚み1ミリのヌメ革(ナチュナル色)を使用しています。

よくレザークラフト本や型紙を購入すると、「2ミリ・1.5ミリ・1ミリ」などと、細かな指定がよくあるのですが…、

厚みを均等にする「革漉き」が出来ないと出費が多くなり、
結果、コストが高くなるので、私の場合、内装には厚み1ミリを多用しています。
完成したオリジナル3つ折り財布の説明02(革漉きが出来ないとコストが高くなるため、内装パーツには、厚み1ミリの革を多用しています。)

コンチョは、コインコンチョで、安価なレプリカを使用しました。

何れ気に入ったコンチョがあれば、気軽に付け替えることも可能ですし、

万が一無くしても、レプリカなので、お財布にも優しいと思います。。
完成したオリジナル3つ折り財布の説明03(安価なインディアン、コインコンチョを使用。)

オリジナル3つ折り財布の寸法

完成した時に、一番大事な「縦・横寸法」を測るのを忘れていたので、
約1月ほど、後ろポケットに入れて使用した寸法を計ってみました。

現在、折り畳んだ状態で「縦10.2センチ×横8.5センチ」になります。

そして気になる厚みですが、先ず、空の状態から。
縫製している底側の厚みは、約26.5ミリです。
空の状態01(縫製している底側の厚みは、約26.5ミリです。)
お札の出し入れをする上部側は、約31ミリです。
空の状態02(お札の出し入れをする上部側は、約31ミリです。)

次に、中身を入れて計ってみました。
中身には、楽天のギフトカードと宝くじ(18枚)を入れて計ってみました。
※小銭は入れていません。
次に中身を入れた状態の画像(楽天ギフトカードや宝くじを入れた状態の画像。※小銭は入れていません。)

縫製した底側の厚みは、約25.5ミリです。
中身が空状態と変わらない厚みになりました。
中身をいれた状態で計測01(縫製した底側の厚みは、約25.5ミリです。)
続いて、お札を出し入れする上部側は、約31ミリです。
やっぱり、中身が空状態と変わらない厚みになりました。
中身を入れた状態で計測02(お札を出し入れする上部側は、約31ミリです。)

実は、作る前にも、失敗しない自身が有ったので、革で作ったのですが…、
案の定、失敗!
この2つは、曲がる部分の寸法ミスでの失敗です。

曲がる部分の寸法、身をもって勉強しました・・。
案の定、失敗した財布と一緒に撮影(※完成した財布と失敗した財布の画像)

オリジナル3つ折り財布の収納力は?

先ず、最初にカードポケットから。
カードが2枚入ります。

デザイン上、ポケットを波型デザインにしましたが、
この湾曲にした方がカードが取り出しやすくなりました。
オリジナル財布の収納力01(カード入れ部分にカード2枚を収納。)

続いて、小銭入れ側の後ろにもカードポケットを作りました。

画像では、大変、見づらいのですが、5枚のカードを収納しています。
オリジナル財布の収納力02(小銭入れ後ろ側のカードポケットに、カード5枚を収納。)

小銭入れのヘリですが、強度とアクセントとして、コバ側にフチ念を入れました。

フチ捻は1ミリしか持っていないので、強調するために「蝋(濃い茶色になった部分)」も使用しました。
強度とデザイン強調のために、蝋を使ってフチ捻を入れました。

小銭入れは取り出しやすいよう、マチを広く設計しています。 (※10円玉で13枚ほど入ります。)
小銭が取り出しやすいよう、マチを広く設計。

お札入れには、宝くじ(18枚)が入りました。
お札入れには、宝くじ(18枚)を収納しました。
また、お札が丸見えにならないよう、
フタ側と一体にして、コの字(Uの字?)に切り抜いたデザインにしました。

なるべく、お札が丸見えにならないよう、コの字(Uの字?)に切り抜いたデザインにしました。


では、簡単にポイントを説明したいと思います。

ポイント1(レザーコート)

今回は、すべての床面が汚れにくいように、レザーコートマットを使用しました。
床面はトコノールだけで処理を終えるのが一般的なのですが、
お札入れ・カード入れ・小銭入れも床面部分になるためです。

特に小銭入れ部分は、硬貨の汚れが大変革へ色移りします。

ポイント1(小銭入れがなるべく汚れないよう、床面側にレザーコートマットを使用。)

ポイント2(打刻印)

今回、特に注力したのは、打ち刻印です。
レザークラフト用の刻印、3ミリの刻印セットを使用しました。
ポイント2(今回、特に注力した3ミリの、レザークラフト用の打刻印を使用。)
刻印を打つことで、オリジナル感が出て愛着感が生まれますし、
市販品のハンドメイド製品のようにグレードアップします。

打つ前に、革を霧吹きや濡れタオルなどで濡らしてから、刻印を打ちます。
ポイント2(革を霧吹きや濡れタオルなどで濡らしてから、刻印を打ちます。)

ポイント3(厚みを抑える革漉き)

基本的に内装には、厚み1ミリの革を使用するのですが、
厚みを減らしたい部分には、革を漉いておきます。

特に、カードポケットや小銭入れのマチに対し、かなり有効です。

この革漉きですが、凄く難易度が高いように見えますが、慣れてくれば簡単です。
只、革包丁の刃をしっかりと研いでおけば、漉き作業が簡単に出来ます。
ポイント3(カードポケットや小銭入れ部分のマチなどの厚みを抑えるため、ヘリ漉き作業をする。)

最初は、失敗が付き物です。

例え慣れていても、失敗する時も稀に在りますが、
隠れるパーツであれば、少々の失敗も問題ありません。
ポイント3(慣れていても、失敗した革漉きの画像。)

もし失敗したときは、
縫い代が有るかディバイダーで線を引いて確認してみてください。
ポイント3(失敗しても、ディバイダーで縫い代を確認してみる。)

ポイント4(フチに念を入れる)

今回は、通販で入手した1ミリのフチ捻で、念を入れてみました。
只、1ミリでは余りにも「一応、フチ捻入れているよ!」とゆう強調が無いため、
フチ捻を終えた後にもう一度、ロウを付けて念引きしました。

念引きはデザイン性と言われる方がいますが、
ロウを付けて念引きしたので、私的には強度があるのでは?と思います。
ポイント4(強度とデザイン性を考え、蝋を付けた念引きをした時の画像。)

ポイント5(バネホック頭と手作り感)

今回、使用したのは「バネホック中」です。
ポイント5(ホック金具「バネホックボタン中」の画像。)

本来ならば、このバネホック中を、「ホック打ち中」で打つだけなのですが…、
ポイント5(打ち具「バネホック打ち中」の画像。)
ボタンの頭が出っ張っています。
この出っ張りを無くすには、画像の左にある「ハンシャ」とゆうパーツを使用するのですが、

ポイント5(ハンシャとゆうパーツとの比較した画像)
より、手作り感を出したいため、
「ホック打ち大」の打ち具を使って、ボタンの頭を平らにします。
ポイント5(手作り感を出すために、バネホック頭を平らにする。)

画像でも分かるように、
左側が平らにする前のもので、右側が平らにしたものになります。
ポイント5(ホック頭を平らにしたときと、厚みを比較した画像。)

ホックを取り付けると、この程度ほど平になっています。
ポイント5(頭を平らにしたホックを、実際に取り付けたときの画像。)

これで小銭れ側のホック打ちが終わりました。
ポイント5(小銭入れ側のホック打ちが終了したときの画像。)
先ほどのホックを取付たパーツと、残りの小銭入れパーツをボンドで貼り合わせておきます。
ポイント5(残りの小銭入れパーツと張り合わせた画像)

そして、小銭入れのフタ部分に菱目打ちをします。

只、ホックを付け終えているので、ホックが邪魔になります。
そのため、邪魔にならないよう、ゴム板などで高くして、菱目打ちをします。
ポイント5(ホックを付け終えているので、ホックが邪魔にならないよう、ゴム板などで高くして菱目打ちをしているときの画像01。)

ポイント6(楽に作るための工夫)

折り財布を作る上での基本ポイントですが、
先に「カード入れ」部分から作ることです。
(※もし小銭入れ部分から作ってしまうと、高さがあるため、邪魔になるからです。)

そして今回は、カード入れ部分にマージン(余白)を作りました。
このマージンは、接着した部分のパーツに余裕ができます。
接着部分に余裕が出来るようにマージン(余白)を作っています。

このマージンを、革包丁などで切り揃えます。
このマージンを、革包丁などで切り揃えます。
切り終えた部分を、紙ヤスリで整えればキレイに見えます。
切り終えた部分を、紙ヤスリで整えればキレイに見えます。

ポイント7(小銭入れ部分の作業ポイント)

今回、作った小銭入れ部分は、基本的な作り方とは少し違う作り方になります。

革漉きをした小銭入れのフタ部分は、
土台となる「中仕切りパーツ」に接着するのがポイントになります。
中仕切りパーツに小銭入れフタ部分を接着します。

ココからは、普通の財布作りと同じで、マチを片側ずつ接着します。
ココからは普通の財布作りと同じ、マチを片側ずつ接着します。
マチを接着し終えたら、底部分を接着します。
マチを接着し終えたら、底部分を接着します。

取り付けた、小銭入れの角を、
小銭入れの角を革包丁で、角丸に切り揃えていく。
革包丁で、角丸に切っていき、軽く紙ヤスリで整えます。
小銭角丸に切り揃えたあと、軽く紙ヤスリで整えます。

外側パーツを接着する前の注意事項


こちらが、貼り合わせる前の、内装パーツと外装パーツになります。
私の場合、張り合わせるパーツの厚みが3ミリを超える場合は、
出来るだけ菱目打ちを、先に済ませておきます。
(※菱目打ちを2回するので二度手間になりますが、厚みが増すごとに菱目打ち作業の難易度が高くなるからです。)

そして、接着する前に、外側パーツにジャンパーホック大を取付ておきます。
(※今回はコンチョをしようするため、片側のみジャンパーホックを取付ておきます。)

接着する前に、外側パーツジャンパーホック大を取付ておきます。

また外側パーツも同様に、
接着後に革包丁などで角を切り揃えていきます。
また外側パーツも同様に、接着後に革包丁などで角を切り揃えていきます。

ポイント8(折り曲がる部分の菱目打ち)

いわゆる最終作業で、
「外側パーツ+内装パーツ」を接着しながら菱目打ちして、縫っていきます。

画像では、カード入れ部分まで接着剤が剥がれないよう、縫って仮止めしています。
(※小銭入れ部分から縫い進めて、カード入れ部分まで来ています。)

この折り曲がる部分には、弧の形(浅い半円状の切り口)にしているので、一度、縫い終わりの終点にしても良いのですが、
ココは「魅せる縫い目」にするために縫い続けたいので、
接着前に、現物合わせで「菱目打ち」をしていきます。

画像のように、
内装パーツに、このまま菱目打ちすると「革」が切れてしまうので、
内装パーツに、このまま菱目打ちすると「革」が切れてしまう画像
内装パーツを手で避けながら、外装パーツにだけ菱目打ちをします。
内装パーツを手で避けながら、外装パーツにだけ菱目打ちをします。

そして、次の接着部分との兼ね合いを見ながら、菱目打ちをします。
次の接着部分との兼ね合いを見ながら、菱目打ちをします。

頭を使いながら、少しずつ縫い進め、最後の外側パーツ部分を接着し終えたところです。

ある程度時間を置き、接着剤が乾いたら、
接着剤が乾き終えたところ。
角の部分を丸く、切り揃えていきます。
角の部分を丸く、切り揃えたところ。

切り揃えたら、最後の菱目打ちをして、
最後の菱目打ちを終えたところ。
縫い終えました。
外側パーツと内装パーツを、縫い終えたところ。

これで3つ折り財布が、完成しました?!
と、思ったら…
これで完成?(ではなく、角落としが残っている)
いいえ、小銭入れ部分の角落としが残っています・・。
小銭入れ部分の角落としが残っている画像。

角を落としたあと、
ヘリ落としをして、コバ処理をします。
角を落としたあと、ヘリ落としをして、コバ処理をします。

内装パーツに、コンチョ部分のポンチ穴をあけます。
内装パーツに、コンチョ部分のポンチ穴をあけます。
コンチョを取り付けるのですが、穴径を小さくしているので、
コンチョを取り付ける穴が小さいので
手芸用の目打ちを使って、少しずつ穴を広げ取り付けます。
手芸用の目打ちで、コンチョを付ける穴を広げて取付ます。

これで、オリジナル3つ折り財布の完成です!
これで、オリジナル3つ折り財布の完成です!

最終ポイント(ポケット類を整える)

オリジナル3つ折り財布は完成したのですが、
出し入れしやすいようにポケット類を整えます。

余計な接着剤が付着しているので、100均のスパチュラで整えます。

「カード入れ部分・小銭入れ部分(小銭入れ裏側部分)・お札入れ部分」を順番に整えます。

これで、財布のポケット類を整える事ができました。
100均のスパチュラで、財布のポケット類を整え終えたところ。

最後に

実際に、財布の中身を入れ替えてみたときの画像になります。

小銭入れに、13枚ほど小銭をいれてみました。
マチも広めなので、小銭がよく見えています。
小銭入れに13枚ほど小銭を入れてみました。

小銭入れ裏側の、カード入れ部分です。
カードを4枚ほど入れてみました。

まだ革が馴染んでいないので、出し入れが硬いです。
小銭入れ裏側のカードポケット(まだ革が馴染んでいないので、出し入れが硬いです。)

そして、主要なカード入れ部分。

カードを2枚収納しています。
カード入れ部分に、カードを2枚収納しています。

最後に、お札入れ部分になります。

6枚のお札とレシートを収納してみました。
6枚のお札とレシートを収納してみました。

こちらが、中身を入れた全体の画像です。
中身を入れた、全体の画像。

前回、作った財布と並べてみました。

この2つの財布、見た目では判断できませんが、前回よりも内装パーツを2ミリほど寸法変更しています。
前回、作った財布と並べてみた画像。


現在、この3つ折り財布を使用していますが、
特に大きな問題や不便さがなければ、このまま使い続けてみようと思います。。



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